断酒メディシン

アルコール依存症とは?飲酒がなかなかやめられない理由は?

飲酒がやめられないのは、アルコール依存症という病気です。
お酒を飲みたいという欲求がとても強く、自分自身では抑えられない状態になっています(精神依存)。そして、お酒を飲むことをやめるとイライラする、不安になる、手が震える、夜眠れない、汗をかく、食べた物を嘔吐するなどの症状(離脱症状)が現れる状態になるのです(身体依存)。このような依存から回復し、身体の健康を取り戻すためには、アルコール依存症の治療に対して十分な知識、経験を持つ医師のもとで適切な治療を受ける必要があります。

アルコール依存症の治療目標は、原則、断酒の達成とその継続である。アルコール依存症に伴う精神・身体症状及び患者の意思を総合的に勘案し、断酒ではなく飲酒量低減を治療目標とすることです。

タバコを吸いたくなるのは依存となったニコチンを体が欲するからです。そのためにやめられなくなってしまいます。しっかり薬(禁煙補助薬)と心理療法(認知行動療法など)で治療をしていきます。

断酒メディシンの特徴

断酒メディシンでは、アルコール依存の重症度や離脱症状のリスクを評価し、ナルトレキソンやアカンプロサートの適応を慎重に判断します。肝機能や精神状態を継続的にモニタリングしながら、安全で確実な断酒維持をサポートします。

アルコール依存症の治療方法

アルコール依存症では、継続した断酒が目指すべき治療目標です。しかし、アルコール依存症においては治療の継続が重要ですので、患者さんが治療を中断しないように、患者さんの希望に沿った治療選択を行うことが大切です。また、治療の選択の際は、患者さんご本人だけでなく、ご家族も治療内容について医師からの説明を受け、理解した上で選択することが患者さんの治療継続のために重要です。

アルコール依存症の根幹となる治療が、心理社会的治療です。心理社会的治療は、患者さんがアルコール依存症という病気を学び、断酒や飲酒量低減などの治療の意義を理解し、自身のペースでお酒に対する考え方や飲み方を見直していくことを目的に行われます。
従来は専門医療機関における集団精神療法が主体でしたが、近年は認知行動療法や動機付け面接法などが広まりつつあります。

アルコール依存症の治療の主体は、断酒あるいは飲酒量低減のいずれにおいても心理社会的治療であり、薬物療法は補助的な役割を担います。薬物療法は再発予防と解毒治療に分類されます。

アルコール依存症の治療薬について

アルコール依存症の治療薬について、主要なものを説明します。

1. 抗酒薬(嫌酒薬) ジスルフィラム(ノックビン)

  • アルコールを飲むと激しい不快症状(顔面紅潮、動悸、吐き気など)が起こる
  • アルコールを「飲めない体」にする薬
  • 飲酒への強い抑制効果があるが、服薬の継続が課題

2. 飲酒欲求抑制薬 ナルトレキソン(レビア・セリンクロ)

  • アルコールへの渇望感を減らす
  • 飲酒による快感を抑制し、「飲みたい気持ち」を和らげる
  • 比較的新しい治療選択肢
  • ナルメフェン塩酸塩として1回10mgを飲酒の1時間前に経口摂取

アカンプロサート(レグテクト)

  • 脳内の神経バランスを整え、飲酒欲求を抑制
  • 断酒継続をサポートする効果
  • 副作用が比較的少ない

3. その他の補助薬

  • ベンゾジアゼピン系薬剤 – 離脱症状(振戦、不安など)の軽減
  • ビタミンB1 – アルコールによる栄養不足の補給

また、日本国内では初となる飲酒量低減薬としては、「セリンクロ」という治療薬があり、2019年の3月から全国の医療機関向けに販売がスタートしています。

飲酒予定時刻の1~2時間前に服用することで、中枢神経に働きかけながら飲酒欲求を抑制し、アルコール依存症患者の飲酒の量を減らすことを目的としています。

アルコール依存症の治療に一役買ってくれるわけですが、服薬の規定を守った上で、あくまでも飲酒量の低減を目的としてのみ使用可能なので、押さえておきましょう!

治療のポイント 薬物療法は依存症治療の一部であり、カウンセリングや自助グループ(AA等)との組み合わせが重要です。医師と相談しながら、個人の状況に合った薬剤を選択し、継続的な治療が必要になります。

継続のポイントは、うまくいってもいかなくても2回目以降を受診することです。医師、看護師、保健師が、禁煙の継続をしっかりサポートしていきますので、途中で諦めずに受診してください。

アルコール依存症の再発予防のための薬物療法

■治療目標が断酒の場合

アルコール依存症の治療目標は、原則的に断酒の達成とその継続です。そのため、心理社会的治療を受けながら、飲酒欲求を抑える断酒補助剤が使用されます。服用期間は薬剤ごとに異なりますが、通常6~12ヵ月です。断酒を維持するために、医師に指示された回数を服用することが大切です。

■治療目標が飲酒量低減の場合

治療目標が飲酒量低減の場合は、毎日の飲酒量の確認をしながら、飲酒前に服薬して多量飲酒を抑える飲酒量低減薬が使用されることがあります。飲酒量目標を設定し、日々の飲酒量を医師と確認しながら治療を継続します。

アルコール依存症の解毒のための薬物療法

アルコール依存症の解毒とは、離脱症状の治療のことを指します。離脱症状の治療には、ベンゾジアゼピン系の向精神薬が使用されます。医師が離脱症状の程度と薬物の効果を繰り返し観察しながら、適切な使用量を決めます。向精神薬は症状の改善とともに減量され、原則的には使用は7日以内とされており、医師の指示のもと適切に使用することが重要です。

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